請負・派遣の違いとは?請負の種類や委任・準委任との違いも解説

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請負・派遣の違いとは?請負の種類や委任・準委任との違いも解説

2026.03.11


CONTENTS 目次


業務請負とは

業務請負の解説図
   

社外の者に業務を委託するアウトソーシングのひとつであり、法律上は「請負契約」と呼ばれる業務委託形態の一種です。
労働者は請負会社と雇用契約を結び、請負会社の指揮命令下で働きます。
以下の条文のとおり、業務請負においては「仕事の完成」が取引の対象となっていることに特徴があります。

業務請負(業務委託を含む)においては、発注者と請負労働者の間に指揮命令関係は生じず、
①請負会社の労働者を請負会社が自ら直接指揮命令すること
②請負った業務を自社の業務として発注者から独立して請負会社が処理すること
が必要です。

請負会社が自社の労働者に対して、服務上の規律に関する指示や管理を行うことが求められます。
発注者が請負会社の労働者に作業の指示を直接行うことは、特段の合理的な理由がない限り、偽装請負と判断されます。

   
     

第六百三十二条 請負は、当事者の一方がある仕事を完成することを約し、相手方がその仕事の結果に対してその報酬を支払うことを約することによって、その効力を生ずる。出典:e-Gov法令検索「民法」

   

 

労働者派遣とは

業務請負の解説図

労働者が派遣元企業と雇用契約を結んで、派遣先企業で働く雇用形態の一つです。労働者派遣法に基づき、厚労大臣の許可を得た企業が派遣元として労働者を派遣先企業へ派遣し、派遣先企業が派遣元の労働者に仕事の指示を直接行えるよう定められた制度です。
労働者は、職場がある派遣先企業の指揮命令下で働きます。報酬の対象は労働時間です。
法律では、労働者を保護するために、雇用主である派遣元と実際に働く派遣先の双方に、所定の手続と労務管理を行うことを義務付けています。
有期雇用の同一の労働者を、派遣先の事業所における同一の組織単位に対し派遣できる期間は、3年が限度です。

 
     

第二条一項 労働者派遣 自己の雇用する労働者を、当該雇用関係の下に、かつ、他人の指揮命令を受けて、当該他人のために労働に従事させることをいい、当該他人に対し当該労働者を当該他人に雇用させることを約してするものを含まないものとする。出典:e-Gov法令検索「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律]

   



CHECK業務請負と労働者派遣の違い

派遣契約は「労働者を派遣して労働力を提供する」ことで報酬を得るのに対して、請負契約は「仕事の成果物を納める」ことで報酬を得ます。
よって、派遣規約は派遣した労働者の労働時間に対する報酬、業務請負契約は仕事の成果物に対する報酬となります。
また、派遣元企業の労働者は派遣先企業の指揮命令の下で働きますが、請負会社の労働者は請負会社の指揮命令の下で働くという点が大きく異なります。

業務請負 労働者派遣
報酬の対象仕事の完成(成果物)労働時間
指揮命令権請負会社派遣先企業
結ばれる契約請負契約労働者派遣契約
目的成果物の納品労働力の提供

CHECK業務請負と労働者派遣のメリット・デメリット

【業務請負】のメリット・デメリット

業務請負のメリット

01管理コストの削減

請負会社が請負った業務に携わる人員の雇用管理を行うため、人件費等の固定費や、増員・人員補充時の募集・採用コスト等を抑えられます。業務遂行時に必要な教育や指示も請負会社側が行うため、現場の管理工数がかかりません。

02長期的な契約が可能

派遣契約とは異なり、契約期間に法的な制約がないため、長期的・安定的に業務を請負会社へ任せることができます。

03コストの固定化

「成果物に対する報酬」のため、派遣契約のように残業時間や残業代等を気にする必要がなくなり、工程管理・予算管理がしやすくなります。

04社員のコア業務への集中

請負会社を活用することで、自社社員をより重要度の高い業務に集中配置することができます。

業務請負のデメリット

01直接指示ができない

発注者が請負会社の労働者に直接指示を出すと「偽装請負」と判断され、法令違反となるリスクがあります。

02社内にノウハウが蓄積されにくい

業務を外部に丸ごと委託するため、その業務に関する知見が自社に残りにくくなります。但し、クロサワエンジニアリングの場合は、取引先企業様のご要望に応じて、取引先企業様の社員様への技術講習を行っています。

【労働者派遣】のメリット・デメリット

労働者派遣のメリット

01直接指示ができる

自社社員と同様に、その場で細かな指示や業務分担の変更が可能です。

02社員のコア業務への集中

派遣されてきた労働者が定型業務を担うことで、社員が重要度の高い業務に集中できる環境を整えることができます。

03即戦力の補填

専門スキルを持つ人材をピンポイントで確保でき、教育コストを抑えて生産性を向上することができます。

労働者派遣のデメリット

01業務内容に制限がある

契約で定められた範囲外の業務を依頼することはできないため、裁量の大きい仕事には向きません。

02派遣期間に制限がある

有期雇用派遣契約の労働者は、同一部署での受け入れは原則最長3年までという「3年ルール」があり、長期の継続雇用には制限があります。

構内請負・構外請負とは

業務請負の解説図

・構内請負とは

構内請負は、発注者の事業所や工場など、発注者の施設内で業務を請負う契約です。
請負会社が自社で必要な人員を用意し、発注者が所有する施設内で作業を行い、その場所において成果物を納品します。

【主な特徴と運用】
請負会社は自社で必要な現場責任者(管理選任者)と作業人員を確保し、発注者の設備や資材を使用して業務にあたります。
製造ラインの特定工程を丸ごと請負わせる場合や、大型製品で移動が困難なケース、または機密保持やセキュリティの観点から部材を施設外に持ち出せない業務などで広く採用されています。
請負会社の現場が発注者と同じ施設内にあるため、物流コストが発生せず、急な仕様や生産計画の変更や進捗確認にも柔軟に対応できるのが大きな強みです。ただし、発注者が直接請負会社の労働者に指示を出すことは禁止されており、適切な「指揮命令系統」の構築が運用の鍵となります。


・構外請負とは

構外請負は、発注者の施設の外で業務を請負う契約です。
作業場所は、請負会社が所有する施設であることが一般的です。請負会社が自社で必要な人員や設備、資材を用意し、企業から受注した業務にあたります。

【主な特徴と運用】
作業場所の選定から、人員の確保、必要な設備・資材の用意にいたるまで、すべて請負会社が自らの責任と負担で準備します。発注者は「場所」や「設備」を提供する必要がないため、固定費の削減にもつながりますが、構内請負よりも取引価格は高くなることが一般的です。
ソフトウェア開発やデザイン制作、部品の加工、物流拠点での検品・梱包作業などで構外請負を活用されるケースが多いです。
発注者の施設と請負会社の作業場所が離れているため、プロセスの透明化や納期管理のための定期的なコミュニケーションが重要となります。



CHECK構内請負と構外請負のメリット・デメリット

構内請負は、発注者の施設内に請負会社が常駐する形態であるため、発注者と請負会社との間で連携がとりやすく、製造ラインの作業等を全部または一部分任せたい場合に向いています。一方で構外請負は、発注者と請負会社とで物理的な距離があっても比較的問題ない、ソフトウェア開発等の作業に向いています。

【構内請負】のメリット・デメリット

発注者側のメリット

01 コスト削減

請負会社が請負った業務に携わる労働者を雇用し、福利厚生や労務管理を行うため、その分の人件費等のコスト負担が軽減されます。

02 管理業務の負担軽減

請負会社の労働者への指揮命令は請負会社が行うため、現場の管理負担を減らせます。特に管理者不足の職場では大きなメリットです。

03 柔軟な対応

需要の変動に合わせて発注量を柔軟に調整できるため、生産変動にフレキシブルに対応できます。また、仕様の変更にも迅速に対応できます。

請負会社側のメリット

01 運搬費用がかからない

構内で業務を行い、成果物をその場で納品できるため、運搬費等のコストがかかりません。

02 連携がしやすい

発注者が同じ施設内にいるため、コミュニケーションを素早く密に行うことができ、追加受注や他案件の依頼を受けやすくなります。

03 設備投資の回避

発注者が所有する設備を使用できるため、自社で設備を用意するコストを省けます。

発注者側のデメリット

01 偽装請負のリスク

発注者が請負会社の労働者に直接指示を出してしまうと「偽装請負」とみなされる法的リスクがあり、指揮命令における注意が求められます。

02 ノウハウの空洞化

自社社員が「その業務がどう回っているか」を理解できなくなり、いざ内製化しようとした時に対応できなくなります。長年同じ業務を請負会社へ任せると、請負会社によってはブラックボックス化してしまうリスクがあります。但し、クロサワエンジニアリングの場合は、取引先企業様のご要望に応じて、取引先企業様の社員様への技術講習を行っています。

請負会社側のデメリット

01 職場環境の制約

発注者の構内ルールや企業文化の影響を自社社員が直に受けるため、自社社員に自社のルールや企業文化を浸透させにくい一面があります。

02 人員管理の負担

自社社員の教育、労務管理、福利厚生などを全て自社で行うため、派遣契約よりも負担が大きくなります。

【構外請負】のメリット・デメリット

発注者側のメリット

01リソースの有効活用

自社の施設内のスペースや設備を空けることができ、管理工数も削減できます。

02成果物責任の明確化

「場所や設備」などの提供も一切しないため、純粋に「成果物」に対して対価を払う形が明確になります。

請負会社側のメリット

01独自の効率化

自社に最適化した環境で作業できるため、生産性を上げやすく、工程のコントロールが自社だけでできます。

02自社文化の醸成が容易

自社社員への教育や組織作りがスムーズにできます。

発注者側のデメリット

01進捗把握の難しさ

作業プロセスがブラックボックス化しやすく、納期されるまで問題に気づかないリスクがあります。

02取引価格の高額化

成果物を運搬するための輸送費や請負会社の施設や設備の費用、受発注通信ネットワークの構築費用等が取引価格に反映されます。

請負会社側のデメリット

01費用負担が多い

作業場所、PC、通信環境、セキュリティ設備などをすべて自社で用意する必要があります。

02コミュニケーション不足

発注者との仕様の認識違いが起きやすく、やり直しのリスクを負うことになります。

委任・準委任とは

委任の解説図

・委任とは

委任契約とは、当事者の一方が「法律行為」をすることを相手方に委託し、相手方がこれを承諾することによって成立する契約です。

【主な特徴と具体例】
「委任」での「法律行為」とは、代理権の授与を行い、本人の代わりに契約を結んだり権利を動かしたりする行為を指します。
具体的には、自身の訴訟行為の代理を弁護士に依頼することや、所得税の確定申告などの税務手続きを税理士に依頼すること、不動産の売買手続きを代理人に任せることなどが該当します。

第六百四十三条 委任は、当事者の一方が法律行為をすることを相手方に委任し、相手方がこれを承諾することによって、その効力を生ずる。出典:e-Gov法令検索「民法」


・準委任とは

準委任契約とは、法律行為以外の業務を他人に任せる契約です。
委任契約の規定を準用するため、準委任契約と呼ばれます。

【業務請負との違い】
業務請負との最大の違いは「仕事の完成(成果物の納品)」を義務付けるかどうかという点にあります。
・業務請負: 成果物を完成させて初めて報酬が発生します。完成しない限り、いくら時間をかけても報酬を請求できないのが原則です。
・準委任契約: 仕事の完成ではなく、「善良な管理者の注意をもって一定の業務を行うこと」に対して報酬が発生します。

【具体的な活用例】
IT業界におけるシステムの運用保守、ビルや設備の管理代行、経営コンサルティング、市場調査の実施などが準委任契約の典型例です。
これらは「いつまでに何を完成させる」という定義が難しかったり、継続的なサポートそのものが目的だったりするため、準委任の形がとられます。
尚、民法の条文にある「事務」とは、データの入力や書類整理などの一般的な事務職という意味ではなく、「業務の遂行」という意味を表す言葉として用いられています。

第六百五十六条 この節の規定は、法律行為でない事務の委託について準用する。出典:e-Gov法令検索「民法」