民間企業と自衛隊を比較|仕事で必要な資格の取得について

自衛官として働いている・働いていた経験のある方であれば、既に資格取得の教育を受け、何らかの資格をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。

自衛隊では資格取得のサポートが手厚く、資格取得についての教育が業務時間中に行われ、自己負担なしで資格の取得が可能です。

自衛官として働くと、「仕事に必要な資格は自己負担無しで取れる」という事が世間の常識のように思ってしまいがちですが、民間企業では当てはまらない場合があります。

これから再就職を考えている方に向けて、民間企業での資格取得についての考え方を説明します。

参考ページ:再就職を迎える自衛官必見!|資格の選び方3ステップ

1.資格について

2.なぜ資格取得のサポートがあるのか

3.民間企業の資格サポートの種類

4.自衛隊と民間企業の、資格取得のサポートの比較

5.資格取得に至るプロセス

6.自ら進んで資格を取得する事が当たり前の業界もある

7.求人で企業の採用方針が分かる

8.まとめ

1.資格について

資格取得サポートの比較

自衛隊で取得出来る資格には、

・国家資格(免許など)

・公的資格(検定など)

・民間資格(英検など)

・自衛隊内でのみ有効な資格(認定など)

の4種類があります。

民間企業も自衛隊と同じように

・国家資格(免許など)

・公的資格(検定など)

・民間資格(英検など)

・企業内でのみ有効な資格(社内認定など)

の4種類があります。

企業内でのみ有効な資格については自衛隊と同様に、就業時間内に教育を受け、資格を取得します。

国家資格や公的資格、民間資格については社員が就業時間以外に自力で勉強をして、取得する事が多いです。

民間企業で働きながら自力で資格を取得する為には、教科書の購入などを行う必要がありますが、金銭面の負担を軽くする為、民間企業でサポートを行っている所が多くあります。

参考ページ:再就職を迎える自衛官必見!|資格の選び方3ステップ

2.なぜ資格取得のサポートがあるのか

自衛隊の場合は、仕事に必要であるから取得するという場合が多いですが。

民間企業の場合は、

・企業全体の技術・知識レベル底上げの為

・有資格者の数が強みになる為

・安全衛生上、資格が必要な為

のような理由が挙げられます。

企業全体の技術・知識レベル底上げの為

企業全体の技術・知識レベル向上の為に、社員教育の一貫として資格取得をサポートし、自己啓発を促しています。

有資格者の数が企業の強みになる為

電気系・設備系・建設系・IT系など、技術系の仕事を行っている企業では、仕事に関連する資格取得者の在籍数をホームページなどで公開している会社があります。

技術や知識を持った有資格者が在籍していることが、取引先や顧客に対してアピールに繋がります。

同業他社との技術面での差別化するときや、新規顧客に対して営業する時の強みになります。

※建設やIT系などの業界では、発注先に対して特定の資格を保有していることを条件としています。

安全衛生上、資格が必要な為

フォークリフトの運転免許や自動車の二種免許など、仕事を行ううえで有資格者でなければ作業出来ない場合があります。

有資格者しか作業が認められていない仕事は、資格を取得してから配属・担当します。

3.民間企業の資格取得サポートの種類

資格取得支援制度の比較

自衛隊では資格が必要な場合、教育などで手厚いサポートがあります。

民間企業では各企業の社内規定によって対応が違う為、資格の取得についてのサポートは各企業によってまちまちです。

資格取得について、企業から何らかのサポートがある場合は、「資格手当」「合格一時金」「免許取得支援制度」「資格取得支援制度」などの名称で、働く社員をサポートしていることが多いです。

資格手当

資格の取得後に、企業から支払われる「資格を取った人」に対しての手当です。

資格取得後に毎月の給与にプラスして資格手当が支払われます。

企業は社内規定で、資格ごとに手当の額を決めていますので、各企業の社内規定に則って資格手当が支払われる事になります。

合格一時金

資格の取得後に、企業から支払われる一時金です。会社によっては「合格祝い金」と呼んでいる所もあります。

合格後に祝い金や一時金として、1回だけ支払われます。

こちらも金額については社内規定で決まっています。

資格取得費用補助

仕事をする上で免許が必須となる、ドライバー職などで多くみられる制度です。

「免許費用補助」と呼ばれている場合もあります。

これは無資格の人が入社した場合、資格取得に関わる費用を企業が貸付してくれる制度です。

入社後資格を取得した後に、本格的に勤務開始となります。

貸付なので返却義務がありますが、資格取得後1~3年程度勤務する事で、取得費用の返却が免除されます。

無資格の方でも採用したいと考えている企業で採用されています。

資格取得支援制度

企業の事業内容によって、取得を推奨する資格は違います。

上記で説明した、「資格手当」「合格一時金」「資格取得支援制度」などの資格取得サポートの総称です。

資格取得支援制度と言っても、企業によってサポートの内容や名称が違います。

民間企業では、このような資格取得支援制度を整え、従業員のスキルアップを促している事が多いです。

※手当てについては企業が事前に【取得推奨資格】というものを決めていますので、推奨資格になっている資格を取得するとサポートが受けられます。

企業の事業内容によって、推奨される資格は違います。

4.自衛隊と民間企業の、資格取得のサポートの比較

自衛隊と民間企業では、資格取得のサポートについて大きな違いがあります。

資格取得サポートの比較

自衛隊の場合

自衛隊では仕事に必要な資格の取得について、手厚いサポートを受ける事が出来ます。

自衛隊ならではの資格取得についての特徴は下記の通りです。

・講師がおり、教育カリキュラムがある

・教科書などが用意されている

・教育を業務時間に行う

・取得までのプロセスをサポートする事がメイン

自衛隊では資格を取得しなければ作業が出来ない仕事も多く、業務時間で資格の教育を受ける事から、サポートが手厚い反面、合格が強く求められます。

資格取得までのサポートを手厚く行い、全員を合格させるスタイルです。

民間企業の場合

民間企業の、国家・公的資格取得のサポートの特徴は下記の通りです。

・会社内で資格の教育は行わない

・教科書などは自分で用意する

・業務時間内で資格勉強は行わない

・資格取得を金銭面でサポートすることがメイン

民間企業の場合、業務時間内に資格の教育を行う事は少ないので、基本的には業務時間外などで、自力で勉強する事が求められます。

※講習に参加が必要な資格は、業務時間中に取得することもあります。

自衛隊のように、取得までのプロセスをサポートするというよりは、取得にかかる費用をサポートする事がメインです。

民間企業の社員は業務時間外に自力で勉強を行い、自立して合格を目指すことが求められています。

5.資格取得に至るプロセス

民間企業で働いている社員が、資格の取得を目指すきっかけとしては、

 ・仕事に必要だから取得して欲しいと言われる

 ・必要な資格がいくつかあり、順番に取得して欲しいと言われる

 ・自分の進みたいキャリアの為に資格を取る

 ・スキル、知識不足を補う為に自主的に取得する。

という4つがあります。

仕事に必要だから取得して欲しいと言われる

有資格者の監督のもとであれば無資格者の作業が認められている場合もありますが、将来的に一人で作業する為には資格の取得は必須です。

このように業務上資格が必要な場合、企業から取得を促されます。

※玉掛けなど一部の資格では、有資格者の監督のもとであれば無資格者の作業が認められています。

※車両の運転資格などは資格を取得してからでなければ作業が出来ません。

参考ページ:自衛官の再就職|玉掛けの資格とは

参考ページ:自衛官の再就職|フォークリフトの資格・仕事とは?

必要な資格がいくつかあり、順番に取得して欲しいと言われる

仕事で必要な資格がいくつかあり、教育スケジュールなどが準備されているケースです。

取得するべき資格を、資格取得の優先度や難易度に応じて表などにまとめてあります。

企業が社員教育の計画を立てている場合などは、このように順番に資格を取ることになります。

自分の進みたいキャリアに向けて選ぶ

企業が事業内容に応じて、取得を推奨する資格をいくつか用意しているケースです。

働く社員は、自分の進みたい道・やりたい仕事に応じて、推奨資格の中から資格の取得を目指します。

推奨資格を取得したからといって、すぐに希望の部署に異動が出来る・希望の仕事が出来るという訳ではありませんが、無資格者に比べると優遇されることがあります。

スキル、知識不足を補う為に自主的に取得する

日々働く中で、自分に足りないスキルや知識があると感じた場合、自分の意志で資格取得を目指す場合もあります。

民間企業で活躍する為には、企業から促されたら取得するという受け身な態度ではなく、どのようなキャリアを積みたいのかなど、ある程度自力で考える必要があります。

6.自ら進んで資格を取得する事が当たり前の業界もある

IT関係など技術系の業界の場合は、業務時間以外で資格の取得や勉強をする事が当たり前の雰囲気になっているところがあります。

これは仕事で使う知識や技術の進歩が早く、資格の取得や勉強をしないと業務に支障が出るからです。

このような業界では、職場に資格についての参考書などがいくつもあり、資格取得を目指している社員が、自由に参考書などを借りる事が出来たり、自習スペースを就業後に使用する事が出来ます。

自衛隊ように、資格取得のプロセスをサポートしている場合が多いです。

7.求人で企業の採用方針が分かる

中途社員を募集している求人票には

・資格が無ければ応募出来ない求人

・資格が無くても応募できる求人

の2種類があります。

求人内容で、企業の採用方針が分かります。

資格が無ければ応募出来ない求人

スキルや資格を持っている人を、即戦力として採用したい場合は、応募条件の欄に何らかの資格が記載してあります。

資格の所持者を求めている事から求人の給与は高めに設定されている事が多いです。

このような企業の選考では、即戦力として働けるかどうかを検討材料に選考が行われます。

資格が無くても応募できる求人

新卒者向けの求人のように、資格の所持は問われません。

無資格者を一から教育出来る環境がある場合には、応募条件が定められていない事が多いです。

このような企業は、入社後に資格を取ってもらえば良いと考えているので、資格取得のサポートがある場合が多いです。

選考では本人のやる気や人柄など、教育後に長く働いてくれる人かどうかを見ています。

求人を見る事で、

・資格取得支援があればあるほど、未経験を育てるつもりがある

・資格者優遇の場合、スキルのある中途をメインで取っている

など、企業の教育方針が分かると言えます。

資格を持っていない方は、資格取得支援のある会社を選ぶとスキルアップをサポートしてくれるでしょう。

8.まとめ

自衛隊であれば、学校などで資格取得のサポートを行ってくれますので、真面目に働いていれば、質の良い教育を受ける事で、いくつかの資格の取得が可能です。

それに対して民間企業では、資格取得のサポートを金銭面で行う事がメインです。

民間企業では、社員のキャリアアップの選択肢が広く、自身で進みたいキャリアに応じて自主的に資格を取得する事が求められています。

企業側から「この資格を取って欲しい」と言われる事ももちろんありますが、基本的には自己の判断で資格を取得する事が求められます。

資格の取得について、「会社に言われてから取ればいいや」と、受け身の姿勢では、段階的なキャリアアップは難しいと言えます。

民間企業で働くうえでは、自分の将来やりたい仕事などを考えたうえで、資格の取得を目指すとよいでしょう。

参考ページ:自衛官の再就職|玉掛けの資格とは

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参考ページ:自衛官の再就職|フォークリフトの資格・仕事とは?

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