事務の仕事なら私にも出来る!?|再就職で事務の仕事は楽なのか

自衛官は民間企業のサラリーマンに比べて、定年退職の年齢が早く、50代半ばとなっています。年金支給開始が65歳なので、定年から年金支給までの10年間の収入を得る為に再就職する方がほとんどです。

「せっかく再就職するのであれば、今までと違う仕事に就きたい」

「自衛官の経験を活かした事務の仕事に興味がある」

など、自衛官を定年退職してから、事務の仕事を目指す場合のポイントを下記でお伝えします。

1. 事務の仕事って?

2. 事務にもいくつか種類がある

3. 事務で人気の職種3つ

3.1 一般事務など、人気職種への再就職は可能か

4. 事務で不人気な職種3つ

5. 事務の仕事、人気・不人気の差とは?

6. 事務の仕事に転職するときの注意ポイント

7. まとめ

1. 事務の仕事って?

事務職は書類の作成や電話応対、パソコンでのデータ処理や電話応対など、様々な業務を行います。

一般事務や営業事務など、仕事の内容や分野によって呼び方が変わります。

事務の仕事と言えば、オフィスで座り作業というイメージがありますが、事務の職種によって、人気が分かれています。

2. 事務にもいくつか種類がある

業界や仕事の内容、担当する部署によって、事務の仕事にもいくつかの種類があります。

仕事を求める人の多い職種であれば、ライバルが多くなり、再就職は厳しくなります。

対して、自分の興味のある仕事が応募者の少ない仕事だった場合は、再就職のハードルが下がります。

このような人気・不人気の差は、下記で説明するような、オフィス環境や業務の内容によるものがほとんどです。

3. 事務で人気の職種3つ

人気の職種と言われている、3つの事務について説明していきます。

一般事務

オフィスで働く、一般的な事務のことです。

会社の事務処理全般を担当する為、見積書や請求書の作成、商品の管理や受発注、契約書のチェックや保存など、他の部署との綿密なコミュニケーション取りながら仕事を行う必要があります。

一般的に専門的なスキルが必要な仕事では無いと言われていますが、会社によっては、一般事務の方が、営業・総務・経理・人事など、事務以外の仕事を兼任している場合もありますので、場合によっては専門的なスキルを求められる事があります。

求人数は非常に多いですが、それをはるかに上回る数の希望者がいますので、常に人気の仕事です。

会計事務

会社での経理や現金出納の業務のほか、銀行など金融機関での窓口業務がここにあたります。

入社してからは現金出納、経費処理、伝票作成、帳簿の記入などを行う場合が多く、お金に関してある程度の知識が必要な仕事です。

簿記3級や、FPなどの資格が役に立つでしょう。

営業・販売関連事務

商品の仕入れや受発注の管理などの、営業や販売に関わる部署での事務です。

他、貿易事務や保険の窓口業務なども含みます。

3.1 一般事務など、人気職種への再就職は可能か

一般事務などの仕事は、座り作業で楽なイメージがありますが、オフィスのIT化が進んでいる為に、エクセル・ワード・パワーポイントなどのソフトを使えるか、ある程度のITスキルが求められます。

一見楽そうな仕事ではありますが、ライバルが多く、ライバルのスキルも高い為、事務の経験が無い方にとって、転職が難しい求人の一つと言えるでしょう。

4. 事務で不人気な職種3つ

外勤事務、運輸・郵便事務、生産関連事務について説明していきます。

外勤事務

外勤事務とは、電気・水道・ガスなどの検針や、公共料金・新聞などの集金を行う仕事であり、一般的な事務仕事のイメージとは全く違う、外を歩き回る仕事です。

事務という名前は付いていますが、イスに座って作業をするというイメージではありません。

求人数は少ないのですが、そもそも希望者も非常に少ない為、不人気な職種です

歩き回る事が苦で無いのなら、ライバルが非常に少ないので再就職しやすいと言えます。

郵便・運輸事務

タクシー・バスの運行管理事務や、郵便局での郵便窓口対応、郵便物の区分などの、郵便・運輸業での裏方の仕事となります。

人不足と言われている業界ですので、日々の仕事は他の事務と比べて忙しいと言えます。

また、運行管理事務では現場のドライバーや取引先と密にコミュニケーションを取り、効率的に仕事を回す必要があります。

郵便事務に関しては窓口の対応や、郵便物の区分など、あらゆる仕事を素早く正確に行う必要があります。

共通して言えますが、繁忙期に仕事が非常に多くなる業界です。

求人は通年である程度の数出ていますが、希望者が少ない為、不人気な職種と言えるでしょう。

生産関連事務

生産関連事務とは、主に工場や倉庫など必要とされている事務作業です。

生産・工程管理や、在庫の管理や入出庫の管理を行う仕事がメインです。

一般事務などと違い、オフィスでの勤務では無く、工場や倉庫で働く事が多いです。その為か、求人数は多いですが、希望者がそれほど多くない為、やや不人気と言えます。

勤務地などにこだわりが無いのであれば、再就職先として検討しても良いでしょう。

5. 事務の仕事、人気・不人気の差とは?

事務の仕事の中で、人気・不人気を分ける要因は、下記であると言えます。

人気職種 不人気職種
・勤務地がオフィスである ・勤務地が倉庫、現場である
・座り作業が中心 ・座り作業の他、立ち仕事もある
・仕事はPC作業が中心 ・PC以外の機器、端末を使う

事務の仕事の場合、オフィスの環境や業務の内容が、人気を分ける理由の一つです。

人気職種

一般事務などの人気職種を希望する方は非常に多く、人材不足で大騒ぎになっている現在でも、事務の求人数よりも仕事を求める人の方がはるかに多く、人余りが発生している状況です。

理由としては、デスクワークが中心の仕事で土日休みの職場が多く、体力的にも長く続けられる仕事な為、女性に限らず、事務経験のある男性や、未経験の若い方までもが応募している為です。

加えて、長く続けられる仕事の為退職する人も少なく、なかなか席が空かないという点もこの状況に拍車をかけています。

不人気職種

一般事務などの人気職種と比べると、比較的入社しやすいと言えますが、入社してからの仕事がある程度忙しいと考えられます。

また、エクセルやワードで仕事を行う場合もありますが、独自の情報機器・端末などを操作する事が多いので、ある程度の体力があり、新しい機械の操作などにも抵抗が無い方であれば、この職種に合っていると言えます。

人気もそこまで無いので、未経験の場合でも内定が出る可能性はあります。

6.事務の仕事に転職するときの注意ポイント

自衛官が事務の仕事を再就職先に選ぶ場合、各個人のパターンによって難易度は変わると言えます。

事務の経験がある方

・既に現業で事務の仕事を行っている

・会計・経理・補給などの事務系の部署で働いていた方

既に事務仕事の経験があるならば、ライバルの多い人気の職種でも経験をアピールする事が可能なので、人気・不人気の職種問わず、再就職は比較的スムーズに進むと言えます。

職種によっては、FPや簿記などの資格を持っていると、さらなるアピールが可能ですので、退職前に準備をして資格の取得も視野に入れると良いでしょう。

事務の経験の無い方

・事務の経験がほとんど無い方

・簿記などの資格はあるが、実務経験が無い方

会計・経理・補給などの事務系の部署でない方

この場合は、人気職種で再就職を狙うのは難しいでしょう。

一般的な転職では、仕事を覚えるのも早く体力もある、若い年代の人を採用する傾向にあります。

若い人も多く応募するような事務の仕事で、未経験の定年退職予定の自衛官向け求人票はそもそも少なく、少ない求人の中から採用を勝ち取るのは難しいと考えられるからです。

ですが、不人気職種での応募の場合、採用の可能性は少し上がると言えます。

不人気職種の特徴として紹介した

・勤務地が倉庫、現場である

・座り作業の他、立ち仕事もある

・PC以外の機器、端末を使う

このような事がらについて、「今も立ち仕事がメインなので問題無い」「現業と似ている職場環境なので抵抗は無い」と言う事を、企業の担当者に向けてアピール出来れば、他の事務希望者と差別化をする事が出来ます。

不人気職種は、そもそも希望者が少ないので、これらのアピールが上手くいけば内定が取れる確率は高まると言えます。

参考ページ:自衛官の方におすすめ!|再就職の時に使える企業研究の方法

参考ページ:自衛官定年後の再就職の時に使える!自衛官の自己PR方法

7. まとめ

既に、事務仕事がメインの部署で働いた経験がある方であれば「事務の大変さを知った上で、今までの経験を活かして働きたい」という事をアピール出来れば、再就職はスムーズに進むでしょう。

また、基地援護室の方と再就職先についてよく話し合うことにより、希望に近い仕事を見付けられると言えるでしょう。

参考ページ:再就職方法の比較|自衛隊の基地援護室を活用するメリットとは

反対に、事務の経験が無い方で、事務の仕事に興味を持った理由が、

・座り作業がしたかった

・PCならある程度使える

・楽な仕事に就きたかった

このような場合、再就職で事務の仕事に応募しても、内定を取れる確率は低いです。

人気職種・不人気職種問わず、もし内定を取れたとしても、新しい事をいくつも覚えながら、忙しい事務の仕事をこなすというのは、本当にやる気のある方でないと厳しいと言えるでしょう。

再就職先を選ぶ時には、仕事のイメージだけで選ばずに、本当に自分に合っているか、自分の考えやスキル、仕事の内容などをよく調べてから応募することが、良い再就職に繋がると言えます。

参考ページ:自衛官の再就職でありがちな3つのミスマッチ事例と仕事の選び方

参考ページ:定年退職後の再就職先はどうやって選んでる?|アンケート結果有