自衛官の再就職|定年退職後の有意義な時間の使い方

自衛官として勤務している時は、毎日が忙しいと思いますので、時間についてゆっくり考える機会を持った方は少ないと思われます。

ここでは、人生の時間について、現職自衛官の皆さんに「時間」というものを少し意識していただき、今後の人生をより豊かなものにするためのツールになることを願って進めさせていただきます。

皆さんがご存知のように、わが国の平均寿命は年々延びており、長寿大国となっています。

また国内では高齢化が深刻な問題とされる風潮にあるのも事実です。

この現象は、当分の間この先も変わらないと思われます。

多くの人が80歳、90歳と長生きする現在においては、「いつまで働くのか」「自由な時間をどう使うのか」という、時間を考えることが、非常に大切なことと言えます。

定年退職後に考えるのではなく、今から残りの時間がどれ位か、時間を有意義に使う為にはどうすれば良いか、と言う事についてお伝えします。

1. 日本の男女別の平均寿命を知る

2. 自衛隊の在職時の時間について考える

3. 自衛隊を定年退職した後の時間は

4. 仕事を辞めた後、自由な時間はどれ位か

4.1 仕事を辞めてからの自由な時間とは

4.2 自衛官生活36年間の自由な時間と比べる

5. 自由な時間を有意義に使う為には

5.1 健康状態に気を付ける

5.2 長い目で見たお金の使い方を心掛ける

5.3 仕事以外の事にも興味を持つ事

6. まとめ

1.日本の男女別の平均寿命を知る

男女別平均寿命

参考:厚生労働省:平成 29 年簡易生命表の概況

現在の日本人の平均寿命は、男性81.09歳・女性87.26歳となっています。

分かりやすく男性81歳・女性87歳として、人生を時間軸で考えてみましょう。

この平均寿命(年)を時間に換算すると。

・男性 709,560時間(81年間

・女性 762,120時間(87年間) となります。

このことから考えますと、女性は男性より6年ほど長生きをするという結果になります。

夫婦の場合は、奥様が旦那様より6年長生きするという事です。

それを踏まえますと、当然のことながら、歳を重ねていくにつれて考えておかなければいけないことがいろいろと増えてくるでしょう。

日本人の平均年齢については、医療の発達などもあり、今後も更に延びていく傾向にありますから、皆さんが70歳、80歳を迎えられる頃には、ますます平均年齢が延びている事が十分に考えられます。

その事をご理解されたうえで、人生の時間について触れていきたいと思います。

2.自衛隊の在職時の時間について考える

自衛隊に在職時の人生における時間について考えてみたいと思います。

皆さんの人生のいったい何%を仕事に使っているのか、そして自由な時間はどれくらいあるのかを、18歳で高校卒業し入隊して、54歳で退職をする男性曹長を例に考えてみます。

自衛隊は民間企業と違い、自衛官は休日でも基地等内に残る事があったり、何かあった場合には休日や時間を問わず基地等に出勤する為、どこまでを勤務時間と考えるのか難しいところですが、基本的な勤務時間を基に考えます。

自衛官の勤務時間と自由に使える時間

参考:厚生労働省:平成 29 年簡易生命表の概況

18歳から54歳の定年退職日として、丸々36年間自衛隊において働く事になります。

勤務時間は基本的な7時間45分とし、年間休日が120日、通勤時間を2時間要するとしたものを勤務時間と考えた場合、自衛官としての勤務時間は36年間の自衛官人生において9.82年間を使っている事になります。

睡眠時間については、1日の睡眠時間を7時間として考え、自衛官人生において10.5年間を睡眠時間として使っている事になります。

上の項目で説明した、仕事に使う時間と睡眠時間以外が自由な時間となります。

年間に直すと、15.68年間となり、勤務している時間の2倍近くの時間を皆さんは自由に使ったということになります。

どうでしょうか?この時間を有意義に使われたでしょうか?

自衛官の自由に使える時間とは

15.68年間が自由に使える時間と説明しましたが、これを1日あたりの時間に直してみます。

仕事の日の1時間の昼休憩は、自由に使える時間とは言いにくい為、1時間マイナスして考えます。

自由に使える時間は下記の通りです。

・年間120日の年間休日には、1日 17時間

・年間245日の仕事の日には、1日 6.25時間

「1日6時間近くも自由な時間なんて無い!」と感じると思いますが、それはきっと下記のような理由でどんどんこの時間が削られているからでしょう。

・朝食、夕食

・体力錬成

・料理や掃除などの家事

・育児など

・買い物

・仕事で必要な知識の勉強や準備

・ニュースのチェック

・入浴などの時間

睡眠時間以外の時間が自由に使える時間ですが、仕事のある日に本当に自由に使える時間は少なく、休日だとしても家族サービスや買い物などで多くの時間を使うでしょうから、実際はかなり少ないのが現状だと考えられます。

自衛隊を定年退職後、漠然と「自由な時間がもっと欲しい」と考えたり、再就職先した先で60~65歳位になって、定年を迎えた時に、「仕事から解放されて、本当に自由な時間が取れる!」「行きたかった所に行ける!」など考えるのではないでしょうか。

3.自衛隊を定年退職した後の時間は

自衛隊を退職後はほとんどの方が再就職をすると思います。

再就職先の社内規定などによりますが、多くの方は60歳から65歳まで働く方が多く、また再雇用されて65~70歳位まで働く方もいるでしょう。

お子さんがいる場合でも、成人後独立をしてお子さんにかける時間も無くなり、再就職先を比較的家から通い易い場合は、自由な時間も増える場合があると思います。

自衛隊定年後、再就職で働いているうちは、現職の時とあまり変わらないスケジュールで動きますので、自由な時間は自衛官の時とほぼ同じだと考えて良いでしょう。

4.仕事を辞めた後、自由な時間はどれ位か

自衛隊定年退職後、再就職をして5~10年ほど働き、再就職先でも定年を迎えて仕事を辞める日が、誰しも必ずやって来ます。

その時の時間について考えてみましょう。

60歳・65歳・70歳まで働いた場合はどうなるのか、先ほどと同じように、睡眠時間を1日7時間で考え、男性の平均年齢まで暮らすと考え計算すると下記の様になります。

仕事を辞めてからの自由な時間とは

仕事を辞めてからの自由な時間とは

参考:厚生労働省:平成 29 年簡易生命表の概況

仕事を辞めてからは、曜日に関わらず睡眠時間以外は全てが自由に使える事から、自由な時間が毎日同じようにあると考えられます。睡眠時間を7時間と考えると、1日あたり、17時間の自由な時間が手に入れる事になります。

女性の場合にはさらに6年分プラスした時間が手に入ります

現職時の様に通勤時間はありませんし、子どもが居たとしても成人している事を考えると、お子さんにかかる時間もあまり必要がありません。仕事に関わる勉強などに追われる事もありませんから現職時に比べると、自由な時間のほとんどを、本当の意味で自由に使えるという事になります。

次に、自衛官生活36年間で使った自由な時間と比較してみましょう。

自衛官生活36年間の自由な時間と比べる

自由な時間を自衛官の時と比較する

参考:厚生労働省:平成 29 年簡易生命表の概況

仕事を辞めた場合は、睡眠時間7時間以外の、1日17時間の自由な時間が手に入る事になります。

60歳で仕事を辞めた場合は自衛官生活36年間で使った、自由な時間の9割以上の時間を、81歳までに使える事になります。

65歳まで働いた場合でも7割以上、70歳まで働いたとしても5割近くの時間となります。

年を重ね、睡眠時間が短くなった場合は、さらに自由な時間が増えると言えますし、平均年齢は毎年高くなっている事から、もっと長生きする場合もあるでしょう。

再就職のその先、仕事を辞めた後から81歳までは、自衛官生活36年間の時に引けを取らない自由な時間があるのです。

これは、自衛官として働いている時から意識しておくことが必要でしょう。

5.自由な時間を有意義に使う為には

仕事を辞めた後に、自由に使える時間が多くある事がお分かり頂いたと思います

その時間を有意義に使うために、是非気を付けて頂きたい点は下記のとおりです。

・健康に気を付ける

健康であるということは、言うまでも無く最も重要なことです。元気であれば外出しても、どこに行っても何もしても楽しめますし、何より行動範囲に制限が無い中での生活ができるということは素晴らしいことであり、多くの新しい発見もあることでしょう。

また、配偶者のおられる方は配偶者の健康にも配慮する必要があります

ご夫婦そろって、人生を謳歌されるには健康であることが非常に大きなウエイトを占めるということです。ある程度の年齢に達する前からしっかり意識をしておきましょう。

・長い目で見たお金の使い方を心掛ける

仕事を辞めた後には、基本的に貯金や年金での暮らしが中心となりますので、年金制度については詳しく知っておきましょう。

自衛官の年金が、共済年金から厚生年金に変わるなど、変更がありますので確認しておくと良いでしょう。

参考ページ:自衛官の年金・基礎知識|共済年金や厚生年金って何?

現在は基本的に65歳から年金の支給が開始されますが、現職の時より収入が減る事は避けられません、退職金や若年給付金が手に入りますが、80歳近くまで暮らす事を考えると、派手な使い方は避けるべきでしょう。

参考ページ:自衛官の退職金・若年給付金とは?|退職金の失敗例を紹介

参考ページ:退職金・若年給付金で老後は安心?自衛官定年後に減る収入

参考ページ:自衛官の再就職|「年収が下がるのはちょっと…」と考える人の3つのリスク

・仕事以外の事にも興味を持つ事

民間企業のサラリーマンの方によくある事が、仕事をしないようになってから、やる事が無くなってしまい、どうしたら良いか分からないという方が非常に多いと言われています。これについては、家にこもらないように、多くのことに興味を示し、趣味などを持つ事で緩和されるでしょう。また、地域のコミュニケーションの場にも積極的に参加し、人間関係の構築に努めることも重要です。

また、かつての同僚・自衛隊OBなどとの繋がりも大切にしておきましょう。

自衛官の方ですと定年退職まで長く働く事で、多くの仕事仲間が出来るはずです。同じような訓練を受けてきた中で、民間企業のサラリーマンとは比べ物にならない結束があるはずですから、その方たちと長く付き合う事も人生を有意義に過ごす為には非常に大切です。

6.まとめ

仕事を辞めた後には、自由に使える時間が多くあります。しかし、何も意識しないでいると、貴重な自由な時間も有意義に使う事は難しいと言えます。

再就職や退職金の事など、自衛隊を退職する時のことは、インターネット等で調べればたくさん検索で出てきますが、自衛官が再就職先において会社を辞めた後に時間を有意義に使う方法などは、調べてもあまり出てこないと思います。

充実した人生は人それぞれ違いますし、時間やお金の使い方も人それぞれであるからだと思います。

貴重な時間を有意義に使う為には、如何に現職自衛官でいる時から、

・健康に気を付ける

・長い目で見たお金の使い方を心掛ける

・仕事以外の事に興味を持つ

これらを念頭に、自分が有意義だと思える時間の使い方について、今からしっかりと

考えておくと良いでしょう。

参考ページ:退職金・若年給付金で老後は安心?|自衛官定年後に減る収入