製造業/メーカーの仕事とは?再就職で知っておくべきポイント
1.製造業/メーカーとは?
私たちの生活の周りには、テレビなどの家電や食品などあらゆる物や製品があります。そのようなものや製品を生産している会社を総称して、製造業、メーカーと言われています。

日本の名目GDPの中で最も高く、基幹産業として日本の経済を支えています。日本の高度経済成長期から継続して伸び続ける事業として、職人の手作業による人の技術で支えた産業から、近年では自動化、ロボット化などの動きになっています。
2.メーカーの分類
製造業/メーカーとは、分類すると自動車メーカー、鉄鋼メーカー、食品メーカー、精密機器メーカー、文具メーカー、アパレルメーカーなど幅広い業界に分かれています。
今の私たちの生活を支える身の回りの製品は製造業、メーカーが生産するものです。一つの製品の製造工程は、大きく分けて「素材」、「加工」、「組立」の3つに分かれています。

素材メーカーや組立メーカーなどそれぞれの工程に分業していても、規模は大小さまざまです。トヨタ自動車を例に挙げると、トヨタ自動車の車を生産するために関わる会社は関連会社、協力会社を合わせると3万社以上に及びます。
3.製造業の職種
製造業/メーカーの主な仕事であるモノづくりの職種は、大きく分けてこのような流れになっています。

- 研究:(製品を生み出すために研究、開発する仕事)
- 企画(製品の需要があるかどうかを調査、マーケティング、企画する仕事)
- 設計(企画したアイデアを製品化するために製品設計する仕事)
- 試作・実験(設計通りに製品が出来上がっているかどうかをチェックする仕事)
- 評価(製品を量産製造できるかどうか、品質に問題ないかどうかをチェックする仕事)
- 製造(工場で実際に製品を作る仕事)
- 流通(製品を卸し、販売店に搬送する仕事や倉庫管理の仕事です)
- 販売(取引先、消費者に販売して売りあげを上げる仕事)
- 修理(アフターサービス、修理を担当する仕事)
その他には、総務や経理、会社広報などバックオフィスの仕事があります。
4.製造業界で働く人はこのような人が向いている
製造業、モノづくりの仕事に向いている人の特徴として5つご紹介します。
物を作るのが好きな人・興味がある人
小さい時など何かしら物を作った経験から、「物を作るのが好き」という人が向いています。物を作っているときのプロセスや作り終わったときの達成感などの楽しさを何となくでも、知っていると製造業の仕事に合う人が多いです。根本的な性格のところで、合う人は向いていると言えるでしょう。
細かな作業をする・コツコツやるような仕事が好きな人
製造業の仕事は、細かな部品を扱うような部品管理のように、慎重な取り扱いが求められる仕事があります。製品の生産ラインに配属されると、担当する製品の加工や組立を行います。ドライバーやレンチなどの道具・工具を使いながら製品を組み立てていく工程です。
一つ一つの作業を丁寧に行うため、コツコツ作業するような仕事が好きな人に向いている作業と言えます。

体を動かす仕事をしたい人
検査や組立などとは異なり、物流倉庫などの仕事は、体を動かすような仕事もあります。補給部隊のように物品管理のような仕事に近いです。
中には、フォークリフトやクレーン、玉掛けなどの資格を取得して、作業を行う業務もあります。

作業ルールを順守し、規律を守れる
製造業は「安全第一」、「品質第一」が何よりも優先されます。安全ルールを順守する、製造の図面通りに作る、品質基準を厳守する、技術情報の漏えい対策を行うなどの製造現場のルールは厳格に決まっています。
ざっくばらんに「これぐらいでいいか」というようにアバウトに仕事を進めていきたいような正確には不向きと言えるかもしれません。
工業系の高校で機械加工などが好きだった人
ものづくりの仕事を希望する人の志望理由に、「工業系の高校で機械加工の経験があったので興味を持った」という隊員は多いです。
実際に扱う製造装置の仕組みはほぼ同じです。実習などで経験した作業内容が、日本の工場などのものづくりの現場で運営されています。

5.製造業で働く良い点・悪い点
良い点
・安定した勤務体系
日本の製造メーカーは会社カレンダーと呼ばれる勤務日を年間を通して設定しています。生産変動に応じて多少変更することがありますが、労働組合などがある会社が多いためしっかり休みをとれる会社が多いです。
また、工場の勤務形態は時間帯ごとに勤務時間を決めるシフト、ローテーションを決めているため、突発の対応などがあまりないため、勤務体系が一定のリズムになっています。
・一から仕事を覚えられる、資格を取りながら技術習得できる
仕事の工業化、標準化が進んでおり、誰が担当しても同じようなレベルで製品を生産することができるように、進んできています。そのため未経験から始められる仕事が多く、習熟に応じて、資格を取得しながら技術を身につけられるので、長期的な視点で仕事に取り組むことができます。
・仕事の成果が分かりやすく達成感がある
物を作る仕事の場合、仕事のプロセスや完成が目の前の製品でわかりやすく形になるため、仕事の達成感が得られやすいです。製造業の考え方の一つに「三現主義」と言われるものがあります。「現場」「現物」「現実」の3つを指しています。
物を作るうえで目の前の製品に向き合いながら、決められたプロセスを通じて、モノづくりに取り組む姿勢があります。
目の前の製品を扱うため、自分の仕事の技術レベルや習熟度が分かります。
・福利厚生施設が充実している
製造メーカーや工場などは、売店や食堂、ロッカーなど福利厚生施設が整っている職場が多いです。地方の工場になると広大な敷地に駐車場などを完備しているため、車通勤ができる職場が多いです。
悪い点
・職場によっては暗い、汚いなどの作業環境が悪いところがある
製品を作る過程で塗料や製品の加工屑、においなどが職場にあり汚い、臭いなどの製造職場があります。ガソリンのように化学薬品のにおいがダメという人もいます。製造業を希望する場合は、作業環境をしっかりと確認しておくと良いでしょう。
・現場作業の場合は、女性が少ない
製造業の中で現場作業を行う職場は女性の比率が低めです。どこの職場も女性はいますが3割程度しか就業していないです。
・IT業界などと比較すると賃金が安め
製造業界は仕事が残業が少なめ、安定した仕事である一方で給料が、概ね低い傾向にあります。ITエンジニアや生保保険営業職などの再就職先と年収を比較すると低いです。
6.再就職活動をするときは職場見学がおすすめ
自衛官が再就職する時には、応募する職場の見学をおすすめしています。製造業で働くときの悪い点に挙げられるように職場によっては汚いなど作業環境が悪い会社もあります。そのような確認をおこなうためにも求人票で判断するのではなく、職場見学を通じて応募する会社を選定すると良いでしょう。こちらのページで職場見学で見るべきポイントを紹介していますので、参考にしてみてください。
参考ページ:攻めの再就職|自衛官の職場見学の方法とチェックすべきポイント
7.※参考 弊社の仕事のご紹介
自衛官の皆さまが製造業で働くイメージをもっていただくための事例として、弊社で実際に製造している製品や自衛官OBの方が携わっている仕事をご紹介します。
製品のご紹介(航空機エンジンのエンジンブレードの製造)
世界有数の防衛、民間航空機関連の製造を手掛けるボーイング社向けなど航空機エンジンのエンジンブレードの製造を行っています。
航空機のエンジン部分の羽の一枚一枚を製造している職場です。
イメージ図

仕事の詳細
説明 | |
製品 | 民間、防衛省向けの航空機エンジンの園児ブレードの製造を行っています。アルミニウムやチタンなどの金属部品を加工して製造する拠点です。 |
仕事 | ![]()
チタンやアルミニウムなどを加工工程に供給する職場です。材料を運搬するときにクレーンやフォークリフトを使用する作業もあります。
航空機エンジン部品は大きく分けてプレス加工で形状を変形させて加工する工程と、金属部品を掘削して加工する工程の二つに分かれています。
加工工程で発生した表面のキズなどと研磨することによって、なめらかにする仕事です。
表面のキズ、凹みなどが無いかどうかをチェックする仕事です。
規定通りのサイズで製造されているかどうかを計測する仕事です。
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場所 | 神奈川県横須賀市内 |
自衛官OBが
担当している仕事 | 自衛官OBの方は、こちらの職場の「材料切断工程」、「加工工程」、「
仕上げ工程」、「計測工程」にそれぞれ一名ずつ配属されています。 |
教育について | 初めての製造業での仕事になるため、安全教育や作業教育など半年間かけて教育を行います。 |
こちらのお仕事については皆さま職場見学をして、実際に製品や仕事内容などの説明を受けて、応募されております。「興味がある、これならできるそうだ」という感想をいただいております。
求人票の説明はもちろん、配属後の上長から直接職場見学を案内いたします。工場稼働している日はいつでも承っております。
※職場見学などは、各都道府県、駐屯地の就職援護担当の方経由で受付しております。
8.まとめ
いかがでしたでしょうか。
再就職で製造業の仕事に興味を持たれている方は、製造関連の求人票を比較しながら、それぞれの会社の職場見学を行うことをおすすめしています。
皆さまの再就職の参考になれば幸いです。