自衛官の再就職|フォークリフトの資格・仕事とは?

自衛官として働く中で、フォークリフトを使用する方は比較的多いと言えます。

業務でフォークリフトを使用する場合、自衛隊内の認定を取得して作業しているはずですが、民間企業でフォークリフト作業を行う場合は、フォークリフト運転の国家資格を取得しなければいけません。

自衛官は退職前に技能訓練(通信教育)を利用して資格を取る事が出来ますので、職業訓練を利用して民間企業で使えるフォークリフトの国家資格を取ろうと考えている方も多いと思います。

ここでは、フォークリフトの資格に関して気になるポイントである、資格の取得に関する事から、フォークリフトの説明、仕事内容、給与相場など、実際にフォークリフトの資格を活かして働くまでに気になるポイントを、図を交えて説明していきます。

1. フォークリフトの資格は2種類ある

1.1 フォークリフトの大きさとは

2. フォークリフトの資格が必要とされる理由

3. フォークリフト技能講習資格の取得方法

4. フォークリフト技能講習資格の難易度

5. 受講資格・講習内容

6. フォークリフトの資格が活かせる所と仕事内容

6.1 一般的なフォークリフト

6.2 特殊なフォークリフト

7. フォークリフト資格の取得メリット

8. フォークリフト求人のチェックポイント

9. さらなるスキルアップの為には?

10.まとめ (求人票)

1. フォークリフトの資格は2種類ある

一般的にはフォークリフトの資格を、【フォークリフト免許】と呼ぶケースが多くありますが、実はフォークリフトの資格は【技能講習】と【特別教育】の2種類しかありません。

フォークリフト資格の種類

【最大荷重1トン未満の小型フォークリフト】のみ運転可能となる特別教育は、フォークリフトに関わる学科・実技の講習を受けることで取得が可能です。

【技能講習】は教習機関での学科・実技の講習にプラスして、修了試験に合格しなければ修了証明書を取得する事が出来ませんが、合格すれば全てのフォークリフトの運転が可能になります。

【技能講習】を修了していれば、基本的に全てのフォークリフトの運転が出来ますので、フォークリフトの資格をこれから取ろうと考えている場合は、【技能講習】を受けるべきでしょう。

自衛官が退職前の技能訓練で取得するフォークリフト資格は、最大荷重の制限が無い【技能講習】なので、下記では主に技能講習についての説明をしていきます。

フォークリフトの資格を履歴書に書く時には

・技能講習の場合

【平成〇年〇月 フォークリフト運転技能講習 修了】

・特別教育の場合

【平成〇年〇月 小型フォークリフト運転特別教育 修了】

“フォークリフト免許”や“フォークリフト運転資格”などと記載してしまうと、技能講習と特別教育のどちらの資格なのか曖昧になってしまうので、このようにはっきりと記載しておくべきでしょう。

1.1 フォークリフトの大きさとは

フォークリフトは大きさを判断する際に、自動車のように車両の重さや大きさなどで大きさを区別せず【最大荷重】と言う、「最大何トンの荷物を運べるのか」という点で判断をします。

フォークリフトの大きさ比較

小型のものでは0.5トンから、大型のものでは20トン以上の最大荷重となっており、運ぶ荷物によって、大きな差があります。

運ぶ物の大きさや、作業場の広さなどの違いにより、使用するフォークリフトの大きさが決まります。

よく使われているフォークリフトのサイズとは

町の材木屋や配送センターなど、町でよく見るフォークリフトのサイズは1.5~3トン程度の大きさです。

1トン未満のフォークリフトは【小型フォークリフト】と呼ばれており、小さい倉庫や荷物がそこまで大きくない所で使用されています。

自衛官退職前の技能訓練(通信教育)で取得できるフォークリフト資格は最大荷重に制限の無い【技能講習】なので、再就職の選択肢は広がると言えるでしょう。

2. フォークリフトの資格が必要とされる理由

フォークリフトを使用した荷物の積み下ろし・荷物の移動作業は、労働安全衛生法で有資格者が作業しなくてはならないと定められていますので、無資格者が運転してしまうと違法になります。

ちなみに、工場内や私有地の中だとしても、無資格者の作業は認められていません。

フォークリフトのある職場には、資格を持った人が必ず必要になりますので、フォークリフト資格の所持者は、未経験者に比べて再就職を有利に進められると言えます。

3. フォークリフト技能講習資格の取得方法

取得する為には、労働局登録教習機関であるフォークリフトの教習所に通う必要があります。

建機メーカーや社団法人、一部の自動車教習所などが、登録教習機関としてフォークリフトの教習を行っていますが、学科や実技のカリキュラムはどの学校も同じ内容なので、通う教習所を自由に選ぶことが出来ます。

4. フォークリフト技能講習資格の難易度

フォークリフト技能講習資格は、学科講習と実技講習の授業を受けて、最後に学科試験と実技試験の両方に合格する事で、【技能講習修了】の資格を得る事が出来ます。

学科試験と実技試験の両方に合格する必要があるので、難易度は高いように感じますが、合格率は90%以上と言われており、真面目に講習を受けていれば十分合格可能な資格です。

また、フォークリフト資格取得の際には、実務経験は問われませんので、取得に関してのハードルは高くありません。

5. 受講資格・講習内容

(フォークリフト運転技能講習)受講資格・講習内容

フォークリフト技能講習資格の講習時間や金額は、受講者の所持資格によって大きく変わり、場合によっては一部の講習が免除されます。

自動車免許・大型特殊自動車(カタピラ限定)をお持ちの方は、少しだけ教習時間が短くなり、限定なしの大型特殊自動車免許をお持ちの方は、教習時間は半分以下となります。

取得に関しては、数日間の講習が必要となりますので、今働いている現場や就職援護の方と相談して日程を決める事になるでしょう。

6. フォークリフトの資格が活かせる所と仕事内容

物流倉庫はもちろん、運送会社、小売店など大量の荷物を扱う所や、コンテナや重量物を扱う、工場、空港、港湾など多くの場所でフォークリフトの資格を活かすことが出来ます。

作業の内容としては、

・荷物の積み下ろし

・荷物の移動

・フォークリフトの日常点検

このような仕事がメインとなります。

その他、補助的な作業として

・パレットの準備

・出荷、入荷伝票のチェック

なども行います。

フォークリフトを使用する職場では、有資格者がどこも足りていない状況ですので、資格さえあれば引く手あまたの状況です。

6.1 一般的なフォークリフト

一般的なフォークリフト

一般的に使用されるフォークリフトは、カウンターバランスフォークリフト、リーチフォークリフトの2種類であり、フォークリフトの技能講習の場でも使用されています。

フォークリフトを使用する職場では、この2種類のどちらを使うという風に考えて問題無いでしょう。

6.2 特殊なフォークリフト

特殊なフォークリフト

・オーダーピッキングトラック(小型倉庫用)

・トップリフター(貨物コンテナ用)

・ストラドルキャリア(特大サイズの貨物コンテナ用)

上記のような特殊な車両もフォークリフトの仲間です。

大型のフォークリフトは給与が高めに設定されている事が多いですが、操作が難しく一般的なフォークリフトに比べると求人数も少ない傾向にあります。

特殊なフォークリフトの仕事に興味がある場合は、仕事の難易度や、自分のスキルで応募出来るかなど、よく調べてから応募すると良いでしょう。

参考ページ:自衛官の再就職|求人票の見方と注意するポイント

7. フォークリフト資格の取得メリット

フォークリフト作業者の求人は、給与が特別高い訳ではありませんが、無資格の倉庫内作業者に比べると、資格手当などで優遇されています。

倉庫で正社員として働く場合、無資格の倉庫内作業員として働く場合は、月給18万円位になりますが、フォークリフト資格を持っていれば、月給20万円以上になる場合が多いです。

また、車両や機械の操作に慣れている事から、倉庫や工場で使用されるクレーンや車両の操作を任される事があるので、フォークリフト以外の資格を取る機会が多いと言えます。

8. フォークリフト求人のチェックポイント

フォークリフト求人

※弊社の自衛官向け求人票です、応募も可能ですので、
応募の際は就職援護担当の方にご相談下さい。

残業時間・求人出勤のチェック

時間外

フォークリフトの仕事は、忙しい物流系の仕事で使われている関係から、会社によって残業が多かったり休日出勤がある所もあります。

残業時間は基本的に求人票に記載されていますが、実際の残業時間や、繁忙・閑散期の残業時間が求人票に記載された時間と違う場合もあります。

応募や面接の時か、基地援護室の方を通して、日々の残業や繁忙期の仕事量、休日出勤の有無などを聞いておくと良いでしょう。

参考ページ:再就職方法の比較|自衛隊の基地援護室を活用するメリットとは

月給だけに注目しない

昇給・賞与

月給が高い求人でも、昇給の制度が無い場合や、残業が“みなし残業”として月給に既に含まれている為、月給の額が高い場合があります。

フォークリフトの仕事を長く続けるつもりなら、求人に書かれている月給だけに注目せずに、

・昇給はあるか

・残業代は別途支給か

・賞与はあるか

という事についてはよく確認しておきましょう。

任期制隊員の再就職の場合は

昇給・賞与があり給与が増える見込みのある求人を探すのはもちろんですが、ゆくゆくは社員を管理する立場になれるのかどうか、チェックしておくべきと言えます。

昇給・賞与があったとしても、ずっと現場でフォークリフトの作業のみを行う場合は、給与が頭打ちになってしまう場合が多いと言われています。

60歳まで長く働く事を考えると、目先の月給だけにこだわらず、管理職の立場になり、給与がさらに上がるステップがあるのか、よく調べて再就職先を選ぶべきでしょう。

実務経験が無い場合

フォークリフトの仕事は、実務経験が無ければ採用しない会社もあります。

実務経験が無い場合でも採用される可能性があるか、事前に聞いておくと良いでしょう。

9. さらなるスキルアップの為には?

フォークリフト資格と合わせて取得すると良い資格がいくつかあり、入社した後にはこれらの資格を取得したスキルアップも考えられます。

場合によっては会社から取得を命じられることも考えられますので、今のうちに知っておくと良いでしょう。

・はい作業主任者

はい作業主任者は、荷物を2m以上の高さに積み上げる職場で必要な資格であり、取得の際には、荷物の積み方・崩し方など、荷崩れによる事故を防ぐ為教育を受ける必要があります。

フォークリフト作業では、荷物を高く積み上げる事も多いので、持っていて損は無い資格です。

※実務経験が3年必要です。

・クレーン免許

・床上操作式クレーン免許(天井に設置されているクレーンの免許)

・玉掛け技能講習(クレーンのフックに荷をかける・外す作業)

フォークリフトが使われている倉庫や工場では、クレーンを使用した荷物の移動をする場合がありますので、入社後に資格取得を勧められるケースが多い資格と言えます。

公道を走る場合があるか

フォークリフトが公道を走る場合

職場によっては、車庫から敷地まで公道を通って移動する業務があります。

フォークリフト技能講習を修了すると、敷地内であれば、どんな大きさのフォークリフトでも運転・作業する事ができますが、フォークリフトが公道を走る場合は、フォークリフトの大きさによって自動車の運転免許(大型特殊自動車免許など)が必要です。

・公道を走る業務があるか

・公道を走る場合、取得している自動車免許で仕事が可能か

などを事前に調べておくと良いでしょう

10.まとめ (求人票)

フォークリフトの資格は国家資格でありながら、自動車のような更新が不要で、免許の有効期限もありません。

一度取得すれば、長く職場で使える資格です。

再就職先として、フォークリフトを使う職場を希望する場合は、目先の給与だけに注目せず

・フォークリフトの仕事を定年まで長く続けたい

・他の資格を取ってスキルアップしたい

・ゆくゆくは管理者としてスキルアップしたい(任期制隊員の場合)

など、将来的に自分がどのような働き方をしたいかよく考え、それが叶えられる会社を選ぶべきと言えるでしょう。

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