工場の人気職種|元自衛官に電子部品の検査は出来るか

現在私たちの身の回りには、スマートフォンや自動車、テレビなど、産業機器や家電に至るまで、あらゆるものに電子部品が使われています。

自衛官の再就職先の一つとして、電子部品の検査を行う仕事があります。

電子部品とは電子基板・センサー・電子チップなどを指します。

このような製品はテスターなどの計測器を使用して検査を行います。

一見難しそうに感じますが、取り扱い方法や手順が決まっていますので、未経験の人でも覚える事が出来ます。

ここでは、電子部品の検査の仕事内容、給与、向いている人の特徴など、応募する時のチェックポイントなどを詳しく説明していきます。

1.電子検査とは

2.電子検査の目的とは

3.電子検査で使うツールとは

4.職場の環境

5.仕事の進め方

6.入社したらなにから始めるか

7.入社して、しばらくたつと

8.電子検査の給与

9.電子検査の仕事に向いている人

10.未経験から応募する時には職場を見ておく

11.まとめ

1.電子検査とは

電子部品が設計通りの性能で作動するかチェックを行う業務です。

製品の電気性能は見た目では分からない為、検査機を使用してチェックを行う事が一般的です。

電気的な検査の為、電子検査・性能検査・品質検査・性能試験など、会社によって様々な呼び方をされています。

2.電子検査の目的とは

電子部品は細かい部品で構成されており、一つの部品で不良が発生するだけで、製品が全く使えなくなる事があります。

製品が完成すると電子部品は製品内の奥深くに組込まれてしまいます。

もし仮に電子部品が故障していた場合、製品そのものを分解して修理する必要があり、非常に手間がかかります。

このような事からチェックは念入りに行われています。

電子検査は、設計通りに作動するか確認する業務ですが、

その中でも、

・漏電、断線がないか

・部品の取り付けミスが無いか

・電圧、電流、抵抗、周波数に問題が無いか

という点をメインにチェックしていきます。

漏電・断線がないか

漏電とは電気が正常に流れておらず、製品や他のパーツなどに電気が漏れている事を指しています。

漏電が発生してしまうと部品が熱を持ち、火災などが発生する危険があります。

断線とは、電気のコードや回路が途中で切れてしまっている状態です。

どこか一つでも断線が起きてしまうと、製品は正常に動作しません。

このように漏電・断線の不良は、製品の故障の他、発熱・発煙・発火などの重大な欠陥とに繋がる事があります。

部品の取り付けミスが無いか

部品の取り付けミスでよくあるのは部品の向きを反対に取り付けてしまう、似た部品を間違って取り付けてしまうという事です。

例えば光を発するダイオードの部品は、向きを間違えると光りません。

製品を検査機でチェックする事で、このような初歩的なミスを防ぐ事が出来ます。

電圧、電流、抵抗、周波数に問題が無いか

電子部品は、設計の段階で電圧や電流などの規定値が決められています。

検査機を使用してチェックすることで、電圧や電流が規定値に収まっているかチェックを行います。

測定値の異常が発見される事で、製品の取り付けミスが判明するケースもあり、チェックは念入りに行います。

3.電子検査で使うツールとは

アナログテスター


参考:日置電機株式会社

電圧、電流、抵抗、周波数などの測定が出来るツールです。

ちなみに乾電池の残量も調べる事が出来ます。

デジタルテスター

デジタルテスター

参考:日置電機株式会社

アナログテスターと仕組みはほとんど変わらず、値の表示がデジタル式になっているものを指します。

アナログテスターと基本的な操作は変わりませんが、直流・交流の電圧、電流を高い精度で測定する事が出来ます。

アナログテスターより高精度な測定を行う場合に使用し、電子チップなどごくわずかな電流で動く部品のチェック時に使用されます。

信号発生器

信号発生器

参考:株式会社エー・アンド・デイ

指定した周波数・電力の信号を作り出す機械です。

任意の周波数で電気信号を発生させ、製品の反応を調べます。

規定値の信号を送って正しい反応をするかチェックする場合と、異常値の信号を送った時に、製品が設計通りの動きをするかチェックを行う場合があります。

オシロスコープ

オシロスコープ

参考:株式会社エー・アンド・デイ

電気信号の変化を、波形として見る事が出来る装置です。

アナログテスター・デジタルテスターでは、表示された値しか知る事が出来ませんが、オシロスコープを使えば電気信号を波形としてみる事が出来るので、細かい測定や異常を発見する事が出来ます。

高校物理の教科書に何度か登場しているので、名前を聞いた事のある方もいらっしゃるかもしれません。

除電機(イオナイザ)

イオナイザー

参考:パナソニック株式会社

これは検査機ではなく、電子検査を行う職場に置いてある備品です。

電子部品は静電気などで壊れてしまう事もあるので、職場の静電気を出来る限り抑える為に、除電機を動かし発生したイオンの力で、静電気の発生を防ぎます。

4.職場の環境

電子部品の検査はホコリの侵入を防ぐ為、室内のクリーンな環境で作業を行います。

また、室内作業である事から空調が完備されている職場が多いです。

作業台に電子検査器が置いてある

電子検査は基本的に作業台の上で行います。

作業台は静電気対策の為にアースされており、作業性を重視しています。

室温・湿度・静電気などに気を使っている

電子部品は非常にデリケートで、ホコリの付着や静電気などが故障に繋がります。

電子検査を行う職場では、室温27℃・湿度50%以下の空調設定や、ホコリなどの管理が徹底されており、工場の中でもトップレベルのクリーンな環境です。

マスク・帽子・手袋・白衣を着用します。

5.仕事の進め方

電子検査は製品が設計通りの作動をするか検査を行いますが、電子検査ならではの仕事の進め方があります。

検査器の設定を常にチェックする

検査機の設定

参考:日置電機株式会社

電子検査器は一つの装置で、直流電流・交流電流・周波数・抵抗値など、あらゆる値を計測する事が出来ます。

測定したい値に応じて検査機器を設定する必要があります。

間違った設定で計測を行うと、間違った数値が出力されたり測定データが出ない事もあります。

検査機は一番初めの設定が大事です。

パソコンを使う

電子検査器の測定結果をパソコンで処理・表示する事が多いです。

測定値を記録したり、過去の製品の測定値を検索する場合もあり、ある程度パソコンを使えると測定作業はスムーズです。

不良品を見た目で判別出来ない

電子検査器で検査を行う製品は、人の目で見ても合否の判断が付きません。

不合格品も他の製品と見た目が全く変わらない為、不合格品と合格品が混ざってしまわないように細心の注意を払います。

6.入社したらなにから始めるか

未経験から測定の職場に配属された場合、

・製品の説明

・電子計測器の使い方の説明

・計測器に表示される数字の意味

・温度・湿度・静電気の影響の説明

などについて一通り教育を受けた後に、先輩社員が監督のもと実際の職場で検査を行います。

電子検査器の操作には教育が必要な為、入社してからは電子検査機の説明・操作方法を学ぶ事から始めます。

電子検査器の操作に慣れてきたら、先輩社員が監督のもと実際の職場で検査を行います。

教育中や入社して日が浅い場合は、測定した製品を先輩社員が再チェックしてくれます。

間違って不良品を出荷してしまうような事はありませんので、安心して作業することが出来ます。

7.入社して、しばらくたつと

入社後しばらくたち、検査業務が一人で出来るようになった頃、スキルアップの為にさらなる教育があります。

他の電子検査器の操作も行う

電子検査の職場に配属になった場合、一つの検査器の使い方をマスターする事から始めますが、ゆくゆくは職場内にある検査機を一通り使うようになります。

他の検査器も扱えるようにつど教育を受け、検査の内容に応じていくつかの検査器を使い分けるようになります。

不良品が流れてしまった時の対策を行う

電子検査は検査機を使用した検査方法ですが、測定単位の設定ミス・目盛りの読み違いなどによって、不良品を見抜けない場合もあります。

不良品が流れてしまった場合、

「なぜ見抜けなかったか」

「手順に問題は無いか」

「電子検査器に問題は無いか」

などを、品質管理の部署の社員と協力して調べる事になります。

不良品を見逃してしまっても、担当作業者に責任を押し付けられることはありません。

※製品の品質を一定に保つための仕組み作りを行う部署を、【品質管理】と呼びます。品質管理の社員は検査の業務をほとんど行わず、品質を守る為の社内環境の整備をメインに行っています。

品質管理の仕事を行う

工場で製品を同じ品質で作るには検査の仕事が欠かせませんが、検査の方法や測定器の配置、作業手順など、製品の品質を一定に保つ為の仕組み作りを行う部署を【品質管理】と言います。

測定の仕事でキャリアを積んだ場合、品質管理の仕事を担当する場合もあります。

品質管理の仕事を担当する場合は、測定の業務はほとんど行わず、社内・社外との調整などをメインで行う働き方となります。

職場のエキスパートとして経験を積んだ後に、品質管理の仕事に異動するパターンが多いです。

8.電子検査の給与

電子検査器を使用したことのある経験者は少ない為、多くの職場では未経験者の採用を積極的に行っています。

正社員の給与は未経験の場合、月給18~23万円程度です。

未経験者でも応募できる職場の場合は、内容が簡単な仕事から始めるので、電気などの知識が必要無い所が多いです。

電気の知識があったり、回路図を読める場合などは、給与が若干高くなる場合もあります。

9.電子検査の仕事に向いている人

電子検査の仕事は、同じ製品を同じように検査する場合が多く、コツコツと同じ作業をする事が求められています。

再就職先を探す時は、自分の興味のある業界や製品に関連した仕事を探す事が一般的ですが、目視検査に仕事に興味があり、これから働こうと検討している方は、

・決められた手順を守れる

・仕事を正確に進められる

・細かい数値、目盛りの読み取りが苦ではない

など、測定の仕事に自分の性格や適性が一致しているかどうか、という事も考えておくべき重要な要素です。

自衛隊出身の方であれば、ルールを守る事が苦ではない方も多いと思いますが、その他の自分の適性についてはよく検討すると良いでしょう。

参考ページ:工場の検査の仕事を詳しく解説|元自衛官が求人に応募する前に

参考ページ:未経験でも働きやすい?|元自衛官が目視検査の仕事をすると?

参考ページ:部品測るだけ?元自衛官が寸法測定の仕事をするには

10.未経験から応募する時には職場を見ておく

工場で働いた経験の無い方であれば、面接を受けるタイミングなどで事前に職場見学をすると良いでしょう。

職場見学の際は、

・測定開始から終了までのスピード

・連続作業時間

・使用する電子検査器

・PC使用の有無

という点を案内してくれる会社の担当者に質問するなどして、チェックしておきましょう。

働く前の段階で、「仕事の内容が自分に合っているか」、「長く働き続ける事が出来るか」、という点を深く考える事で、入社後のミスマッチを防ぐことが出来ます。

面接の際に職場見学が出来る会社は多いので、求人に応募する段階で職場の見学が可能か担当者に聞いておくと良いでしょう。

定年退職や任期満了が控えている自衛官の方であれば、援護担当の方が企業に職場見学の打診をしてくれるはずです。

参考ページ:再就職方法の比較|自衛隊の基地援護室を活用するメリットとは

参考ページ:攻めの再就職|自衛官の職場見学の方法とチェックすべきポイント

11.まとめ

電子検査の仕事は検査機の操作方法さえ覚えてしまえば未経験からでも挑戦しやすい仕事と言えますが、性格や適性が合っていないと早期の離職に繋がる危険もあります。

仕事を長く続ける為には、自身の性格や適性が合っているかよく考えたうえで仕事に応募し、職場見学をしたうえで入社の決断をすると良いでしょう。

参考ページ:工場の検査の仕事を詳しく解説|元自衛官が求人に応募する前に

参考ページ:未経験でも働きやすい?|元自衛官が目視検査の仕事をすると?

参考ページ:部品を測るだけ?元自衛官が寸法測定の仕事をするには

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