自衛官が再就職してから3か月間でやるべき3つのこと

自己分析や企業研究など、再就職にあたり多大な労力をかけて再就職したにも関わらず、入社後3か月以内で退職される人が、少数ではありますがいらっしゃいます。

入社してから3か月というのは、会社や仕事の内容が少し分かってきて、不満が出やすい時期と言われています。「会社の文化・社風が合わない」「会社の人達となじめない」など、会社に対して不満を感じた時に、会社を辞めてしまう方もいるのです。

自衛隊から民間企業に転職すると、最初は多くのことに戸惑うことが多いです。

会社の環境に馴染むのには、ある程度の時間がかかります。

最初から「この会社は自分に合っている!」と感じることはまれです。

入社して3か月間は仕事を頑張ることも大事ですが、下記のような会社の文化・社風を理解し、会社を知ることに力を入れておきましょう。

1 会社と仕事の情報を知り理解する

再就職が成功したという事は、会社はあなたが戦力になると期待しています。あらゆる環境も新しくなり、成果を出して会社に貢献しようと意気込んでいることでしょう。

しかし、自衛官から会社に入社して、3か月しか経過していない状況では、仕事の進め方や、会社に関する情報など、まだ十分に把握しきれていない状況だと思います。

張り切って仕事をしても情報不足により、周りに迷惑をかけてしまうこともあります。まずは会社と仕事に1日も早く慣れることに心掛けましょう。

知っておくべき会社の情報

・設立年・企業理念・代表

・売上高・資本金・営業利益

・事業内容・主力商品、サービス

・事業拠点・事業

・グループ企業・主要取引先

今後取引先や外部の方と話をする時などに、よく質問される項目ですので、必須の知識と言えるでしょう。

これらの会社の情報については、自社ホームページに載っていることが多いので、改めて確認し、覚えておきましょう。

参考ページ:資本金?創業って?|民間企業のホームページの見方

知っておくとさらに良い会社の情報

・事業方針・新商品・新サービス

・業績の見通し・株価(上場企業)・景気による影響

・業界の見通し・業界での立ち位置・同業他社の状況

今現在の状況と、これからの予想、景気の変動に対して、どのような影響があるか、業界や同業他社の状況などを知っておきましょう。

会社の方針や仕事について、深く考える時に役立つ知識です。

これらの情報は、インターネットで過去のニュース記事を調べると良いでしょう。

2 会社文化・社風を理解し馴染む

自衛隊に文化・気質があるように、会社にもそれぞれ独自の会社文化・社風があります。

会社の成り立ちや業界の違い、業界内のポジションによっても文化は大きく違いますし、実際に入社するまで、会社文化・社風の全てを理解することは難しいでしょう。

・決まった仕事を淡々とこなすのか?

・ポジティブに新しいことにチャレンジするのか?

・勤務時間内に業務を終わらせ、定時に退社するのか?

・時間はあまり気にせず、自分の仕事が終わるまで残業を行うのか?

・勤務年数や経験を重んじる人事評価なのか?

・勤務年数に関わらず、実力があれば活躍出来るのか?

・定年まで働き続ける人が多いのか?

・スキルアップとして数年で転職する人が多いのか?

・社員同士は協力し合う関係か?

・ライバルとしてお互い高めあう関係か?

・求められているのはオールラウンダーなのか?

・特定の仕事に特化した専門型なのか?

このように様々な会社文化・社風があります。

会社文化・社風の中には、自衛官の時の感覚では理解出来ず、不満に思うこともあるかもしれません。ただし、最初は理解出来なくても、しばらくしてみると合理的であったことに気づく場合もあります。入社して3か月の期間で、会社文化・社風の良し悪しを判断することは難しいものです。

また、社員は会社文化・社風にそった仕事の進め方をしています。

まずは社員と仕事の足並みをそろえる為にも、会社文化・社風を理解し、職場に馴染むことに注力するべきでしょう。

会社文化・社風を理解して、馴染むために

自衛官の時と、今の組織の文化を比較することはやめましょう。

「自衛官の時の方が、仕事が明確に分かれていて良かった・・・」など比較をしてしまうと、教えてもらった仕事のやりかた・ルールに不満を持つ危険があります。

入社して3か月という時期では、今までのことを一旦忘れて、新入りの気持ちで教えられたこと全てを吸収するつもりで過ごすと良いでしょう。

やりかた・ルールの改善したい気持ちもあるとは思いますが、まずそれらを全てを吸収した後に考えることです。

3 周囲の人と関係を構築する

会社からすると、民間企業での経験の無い・少ない自衛官を迎え入れるということは、「体力がありそう」「技能を持っている」「免許を持っている」など、何か期待して採用をしているはずです。

ですから、みなさん「会社の期待に答えたい」という気持ちを少なからずお持ちだと思います。

ですが、入社して3か月位では、職場の人間で、あなたのことを詳しく知っている社員は居ないでしょうから、信頼はまだ薄いはずです。

仕事ぶりや、仕事に対する姿勢、ポテンシャルや性格など、分からないあなたに、「どのように仕事を教えればよいだろうか」「仕事に馴染んでくれるだろうか」と、今いる社員は不安を抱いていますし、仕事を任されることも少ないでしょう。

最初から張り切って仕事の成果を追求するよりも、まずは、周囲に溶け込むことに注力しましょう。社員の皆にあなた自身を理解してもらい、信頼を得ることが、今後仕事を任せてもらう為に一番大事なことになります。

周囲の人と関係を構築する為に

疑問や分からないところがあった場合は、とにかく質問をしましょう。

報告・連絡・相談を小まめに行い、コミュニケーションを高い頻度でとりましょう。

仕事が出来れば別ですが、入社して3か月では仕事を一人でこなすことは難しいでしょう。そのような状況では、一人で勝手に仕事を進めてしまう人よりは、報告・連絡・相談をしてくれる人の方が安心出来ますし「間違いのない仕事の進め方である」と、信頼も少しずつ生まれるでしょう。

また、勤務時間外での食事や飲み会、職場から駅まで一緒に歩いて帰るなどの機会に、仕事と関係無い、休日の過ごし方などの話をしたり聞いたりすると良いでしょう。

まとめ

自衛隊という組織から、今までと全く違う民間企業に再就職し、すぐ活躍することは難しいかもしれません。

入隊してから教育訓練を受け、厳格な階級制度、自衛隊独自の業務形態、気質、手続き、手順、文書作成要領、言葉遣いなど、自衛官としての考え方で長年生活をされています。そこから、今まで考えたことのない「営利・利益」を念頭に仕事をする民間企業に身を転じようとしているわけですから、難しくて当たり前なのです。

・会社と仕事の情報を知り理解する

・会社の文化や社風を理解し馴染む

・周囲の人と関係を構築する

入社してから3か月の間で重要なことはこの3つです、会社の利益に貢献できる仕事はまだ任されないかもしれませんが、任された時にスムーズに仕事が出来るように、このような準備を行いましょう。